走る駅鉄各駅停車
銚子電気鉄道 前編
銚子駅 ~ 笠上黒生駅
6.4km 10駅
銚子電気鉄道 銚子駅 ~ 戸川駅
千葉県の最東端にある銚子市は、魚の仲買業者が約300軒もある漁業の町だ。利根川の河口でありプランクトンも豊富な銚子沖は親潮、黒潮に乗ってやってきた魚の宝庫で、銚子漁港は水揚げ量9年連続日本一!、そして多くの遠洋漁業船が碇を下ろす漁業基地でもある。また、ヤマサ醤油、ヒゲタ醤油の工場がある醤油の町としても有名だ。
しかし日本は2008年をピークに人口減少局面に入っており、世界に先駆けて「人口減少・超高齢社会」を迎えている。首都集中が加速して地方都市の人口は減少の一途だ。銚子市も例外ではなく人口減少が急速に進んでいて、1980年には約9万人いた人口も近年は6万人を下回っている。3分の一になったということは、単純に考えると両隣のどちらかが空き家になったということだから過疎化は恐ろしい。
大正二年(1913)地元の有志により「銚子遊覧鉄道」が設立されたが、4年後には廃止され、路線はバス専用道路となった。大正12年(1923)再び有志により「銚子鉄道」が設立され、銚子駅~戸川駅間が開業し、大正14年(1925)には電化も果たした。太平洋戦争の空襲で施設が焼失したため一時運転を休止した時期もあったが、不屈の精神で昭和21年(1946)電車運転を再開し、昭和23年(1948)「銚子電気鉄道」として復活した。
そして令和5年(2023)7月5日に開業100周年を迎え、7月9日に「銚電まつり」が犬吠駅前広場にて盛大に開催された。
銚子電鉄はJR総武本線と接続する銚子駅から半島最南端の戸川駅までの6.4kmをのんびりと20分ほどで走る。駅数は10駅(起終点駅含む)。運行間隔は概ね1時間に1本。車両は銚電復刻カラーの2000形、元伊予鉄道700形の3000形、そして今年から元南海電鉄2200系の22000形がデビューした。この車両は、約8年ぶりの新車両(中古車だが)で、中古のさらに中古ではない車両としては約30年ぶりと導入となる。それにより2010年から使用されていたデハ2001、クハ2501は、2024年3月15日をもって退役したので全車6両で運営されている。
創業100年の歴史あるローカル線だが人口減少と不祥事の影響で近年経営難となり、打開策で始めた名物の「濡れ煎餅」はわずか半月で1200万円の売り上げに達し、鉄道収益より大きく上回ったが、相変わらず廃線の危機に瀕している。しかし地域に愛されている路線で、アンケートによると市民の9割が存続を願っている。2014年、経営難の銚子電鉄のために500万円の寄付金を集めた高校生のニュースが紙面を賑わしたこともあったが、コロナ禍が収束しつつある今、多くの観光客の乗車を切望している。「絶対にあきらめない。みんなの銚電!」をスローガンに、社長の竹本氏は2016年に電気車運転免許を取得して、週2回のシフトで運転の業務にも就いているという。(Wikipedia)
そして今回、「ぬれ煎餅」「まずい棒」「再建最中」などが売られている犬吠駅の売店で大変喜ばしい標示を見つけた。それは『みなさまの温かい応援のおかげで2021年度、2022年度2期連続、黒字達成!!銚子電鉄の動力は電気ではなく、みなさまの温かい応援です。』と。2023年3月期決算では、純利益1196万円で2期連続の黒字(前年は21万円の黒字)を達成。中でも副業の売上高は5億3418万円(前年度比18.5%増)で過去最高を記録し、1億2000万円を超えた鉄道事業の大赤字を補ったという。
前回2年前に訪れたときは梅雨入り前の6月。今回は立冬間近の11月。3時間半も電車に揺られてJR銚子駅へと向かった。銚子駅で乗り換える合間の時間に駅の写真を撮らせて頂いた。そしてプラットホームの東端を削り取って造ったような銚子電鉄ホームに向かった時にはすでに日が暮れていた。共同使用駅で改札がない。車内で車掌さんから切符を買う。戸川駅までの6.4kmという短い区間に10駅もあるので楽しみだ。いざ走り出すとローカル線ならではの上下左右の揺れが何とも心地よい。そして遅い。「自転車より遅いが、歩くより速い。」この速度も魅力の一つだ。車内アナウンスも線路の軋む音も楽しい。車内も綺麗で従業員の接待も優しい。みんなに愛されるわけだ。 (以下、前回2年前の写真も交えてご紹介致します。)
1.銚子駅 ちょうし
駅の北側には商店街があり土産物屋などが点在している。700mほど北に進めば広大な利根川河口に架かる「銚子大橋」が望める。また、駅周辺には「ヤマサ醤油」「ヒゲタ醤油」「宝醤油」などの醤油工場がある醤油の町だ。
駅舎入り口。すっかり日が暮れてしまいました。
改札口。正面に停車しているのは「特急しおさい号」です。
銚子電鉄ホームへは、ここでJRの駅員さんに声をかけてから右手へと進みます。
1番線。入って左手に大きな醤油樽がありました。
右手2番線の奥に銚電のホームが見えます。
JR特急しおさい。かっちょいい!
改札を抜けたところ、1番線の掲示板。銚電は階段を上って2番線に進みます。
跨線橋上の案内板。
2番線ホームの案内板。
JR線の2・3番線ホームの東端に銚子電鉄用の切欠きホーム1面1線がある。JRと銚子電鉄は線路は繋がっているが、架線電圧が異なるため電車の直通はできない。駅舎はオランダ風車をイメージしたそうだ。かつては風車の羽がモーターで回っていたが老朽化により撤去された。
JRホームから見た乗り換え口。
銚電改札から見たJR2、3番線ホーム。
オランダ風?駅舎。
きれいな待合室です。
銚子電鉄はこの1線1ホームのみを使用。列車が入ってきました。
ものすごい数の乗客です!ビックリ!
夕焼けに映える2502形
乗車してすぐに車掌さんから一日乗車券を購入。列車は基本的にワンマン運転だが車内改札業務があるので「笠上黒生駅」まで車掌さんが乗車することが多い。また、今では珍しくなったタブレット交換も「仲ノ町駅」「笠上黒生駅」で見ることができる。
車内はとても良い雰囲気で気持ちがいい。また、色々な企画とコラボした車内装飾もあって楽しめる。2年前に乗車したときの「大正ロマン電車」は上品で美しかった。
2年前に乗車した この2001形は令和6年(2024)3月に引退しました。 2022
美しい車内 2022
ぬれ煎餅の吊り広告 2022
窓も広告も大正浪漫風で素敵 2022
料金掲示板もポスターのようです。 2022
路線図も手書き風です。
