走る駅鉄各駅停車
ひたちなか海浜鉄道 湊線 後編
那珂湊駅 ~ 阿字ヶ浦駅
ひたちなか海浜鉄道湊線の後編です。勝田駅~那珂湊駅までは前編をご覧下さい。
那珂湊駅周辺にある「那珂湊天満宮」「おさかな市場」「橿原神宮(かしはらじんぐう)」などにも寄りたかったが次回に譲ってルート6号水戸那珂湊線を進む。しばらく走ると海岸沿いに出てしまったので地図アプリで確認すると、やはり通り過ぎていたので起伏のある道をハ~ハ~しながら引き返すが、駅らしい所が見当たらない。地図を見ながら進むと、住宅街の一段低いところに踞るように「殿山駅」があった。
7.殿山駅 とのやま
単式ホーム1面1線の無人駅。駅周辺は地形の起伏が激しく、住宅地より低い谷間にあるのでわかりにくい。
階段を下って改札を抜けるとホームです。
ホーム側から見た改札口。一段低いところにあることがわかります。
阿字ヶ浦方面。
勝田方面。
駅名標。ハマギク、ケイトウ
素敵なベンチ。良いデザインです。
線路沿いに走り、時折カクカクしながら1.5km程進むと住宅街の中に「平磯駅」がある。
8.平磯駅 ひらいそ
かつては相対式ホームを有する上下線交換可能駅で、貨物用の側線もあったが現在は単式ホーム1面1線。昭和62年(1987)に茨城交通直営のスーパーマーケットの一角に駅舎がある複合駅舎となったが、その後スーパーは撤退閉鎖された。平成23年(2011)スーパーの撤去作業が完了し駅舎が再改装された。令和3年(2021)には転落防止柵が設置された。平磯海水浴場までは南に500mほどだ。
駅入り口。かつて左手にスーパーがありました。
開放的な改札口。
阿字ヶ浦方面。
勝田方面。
駅名票。クジラ、渡り鳥
転落防止柵が設置されています。
駅北側の踏切から少し海岸に進んで「琴平神社」を過ぎたら左折して道なりに進む。「津神社」を過ぎると住宅も少なくなり、サツマイモ畑の中の一本道をひたすら進む。風が強い!障害物がないから向かい風をまともに受け止める!ということは、平坦な道だがずっと登り坂を上がっている負荷がかかる。以前、霞ヶ浦沿いのサイクリングコースを走ったことがあるが、その時も風をまともに受けた。地元の方が出発するとき「風に気をつけて下さい。」と言っていたことを身にしみて感じた。海沿いは強風に煽られるので要注意だ。
2kmほど漕ぎ続けていくと立派な建物が見えてきた。駅名にもなっている「美乃浜学園」だ。平成23年(2011)に発生した東日本大震災による校舎被災と地域の少子化を機に学校再編の検討がなされ、近隣地域の3つの小学校と2つの中学校が統合され、2021年4月に開校した新しい公立義務教育学校だ。令和5年の生徒数は514名。1年生から9年生まで23学級ある。「美乃浜学園駅」は指呼の間100m。また、近くに交番もある。
9.美乃浜学園駅 みのはまがくえん
開校に併せて令和3年(2021)に開業した新しい駅。総工費5千5百万円。駅前ロータリーは広いがバス停もない。単式ホーム1面1線。ホームには柵が設置されている。
サツマイモ畑の中に駅がありました。
駅から見た美乃浜学園。サツマイモ畑。
勝田方面。まっすぐ。
阿字ヶ浦方面。まっすぐ。
駅名標。ソーラーパネル、三味線、スカシユリ
何もないけど立派な駅前ロータリーです。
美乃浜学園から800mほど行って左折すると目立たないところに「磯崎駅」がある。
10、磯崎駅 いそざき
大正13年(1924)から昭和3年(1928)までの4年間はこの駅が終着駅だった。かつては蒸気機関車の給水塔があった。単式ホーム1面1線。ちなみに、痛々しいラッピングトレインのスポンサーの「磯崎自動車株式会社」はここ磯崎ではなく中根駅の近くにあるそうだ。
駅舎全景。
ちょうど茨城交通「スマイルあおぞらバス」がきました。
スッキリとしたバリアフリーの出入口です。
きれいに片付いた待合室。
阿字ヶ浦方面。左にカーブして行きます。
勝田方面。右にカーブして行きます。
ホームから見た駅舎。
駅名標。サツマイモ。
線路沿いに1kmほど行くと終着駅の「阿字ヶ浦駅」がある。海岸に近く「阿字ヶ浦海水浴場」までは5分ほどだ。ネモフィラ、コキアで有名な「ひたち海浜公園」までも15分ほどで行くことができる。
11、阿字ヶ浦駅 あじがうら
島式ホーム1面2線、留置線もあるが、使用しているのは1線のみ。駅舎側の線路にはご神体のキハ222,キハ2005が留置されている。令和3年(2021)構内に保存されていたこの「キハ222」を御神体として「ひたちなか海運鐵道神社」が建立された。この車体は1962年の製造で、44年間の長きにわたって活躍し、しかも無事故だったことから「長寿」「無事故」「交通安全」の御利益があるとしている。また、列車は連結されるので「縁結び」、さらに黒字回復、延伸ということで「金運向上」「仕事運向上」にも御利益があると謳っている有り難い神社だ。鳥居は線路で造られている。
かつて上野駅からの臨時急行が運行されていたこともあり、ホーム長は7両分もあるが現在使用されているのは駅舎に近い2~3両分だけだ。終着駅だが無人駅で列車の滞泊はなく、終電は那珂湊駅まで引き返して停泊する。
駅のすぐ東側にある「堀出神社」の境内に、令和元年(2019)地元特産物の「干し芋」をPRするため「ほしいも神社」が建立された。この高台から見る太平洋の雄大な眺望がすばらしいとネットに書いてあったので参拝しようと思ったが、時刻表と相談して次回訪れる事ととした。
終着駅が見えてきました。
整った駅舎です。
待合室側から見た改札口。
ホームから見た駅舎。レールの鳥居。
鐵道神社の御神体キハ222
キハ222とキハ2002が連結されています。
左の留置線は使われていません。
勝田方面。常時使用する線路は1線だけです。
給水塔のような設備が残っています。
駅名標。アジではなくアンコウ?
この先から「ひたち海浜公園」まで延伸する計画があります。完成が楽しみです。
自転車をたたんで、上り列車を待つ間に急いで写真を撮った。一本乗り遅れても1時間近く待たなければならない。
まもなくして上り列車がやって来た。地方鉄道の気動車というと古めかしい車輌をイメージしがちだが、とんでもない!。高級感のあるロングシート、蛇腹のカーテン。すこぶる豪華、快適だ。
車内改札機。
豪華なロングシートです。
煙突前のシート脇にゴミ箱!初めて見ました。
勝田駅に着きました。
せっかく阿字ヶ浦まで行ったのだから「酒列磯前神社(さかつらいそさきじんじや)」には参拝しておけばよかった。対の宮(ついのみや)である大洗町の「大洗磯前神社(おおあらいいそさきじんじや)」も太平洋に面した丘の上に鎮座し二社で一つの信仰を形成している。両社とも歴史は古く、旧社格も「国幣中社」だ。クルマを利用すれば一日で両社を参拝できるので今回は良しとしよう。
茨城県の神社というと常陸国の一之宮「鹿島神宮」が有名だ。下総国一宮の「香取神宮」、神栖市の「息栖(いきす)神社」と並んで東国三社の一つで、全国にある鹿島神社の総本社だ。こちらは電車、自転車利用で一日で廻ることができそうだ。
茨城の旅を夢想しながら、巡ってきた駅を車窓から眺めるひとときは至福の時だ。
ひたちなか海浜鉄道湊線の駅は、個性的で魅力あふれる駅が多く、大変楽しい日帰り旅行ができた。多くの人にこの路線の魅力を味わってもらいたい。
2024.9.23
東京都小金井市の「江戸東京博物館たてもの園」に展示されている水戸藩から江戸幕府に献上された大砲です。明治4年(1871)から皇居内で、この大砲により正午を知らせる空砲が発射されました。
江戸時代は「時の鐘」でしたが、昭和4年(1929)にサイレンに替わるまでこの大砲が使われました。
仕事が午前中で終わることを「半ドン」と言うのは、ここから来ています。
