走る駅鉄各駅停車
真岡鐵道真岡線
後編 北真岡駅 ~ 下館駅
真岡鐵道真岡線後編は、北真岡駅からです。
10.北真岡駅 きたもおか
駅前に整備されたロータリーと清潔なトイレがある新しい現代風の駅だ。駅周辺も田園風景から住宅地へと変わってきている。駅舎は無いがホーム上に広い待合室がある。駅名標に書かれた「日赤」芳賀赤十字病院は駅の北200mにある。
駅舎と呼んでもいいような待合室です。デザインも良い。
駅名標。赤い字で(日赤前)とあります。
立派な待合室です。
広くて清潔な室内
茂木方面。左端は大日堂です。
下館方面。ホーム端に一般道の踏切があります。
南に700m程行くと左手に「真岡木綿会館」があり、隣接して県指定有形文化財の「金鈴荘」がある。高価な建築資材を用いて建築に十年余の歳月を費やしたという岡部家の別荘は、木造2階建ての瀟洒な外観の建築物で、一時期割烹料理店として使用された時期もあったが、平成13年(2001)真岡市に寄付されて「真岡市近世百年の歴史文化遺産」として現在は市が管理している。岡部家は真岡木綿問屋として栄えた呉服店だ。真岡木綿は江戸時代後期に隆盛を極め、年間38万反を生産。当時、江戸の木綿問屋の仕入高の約8割が真岡木綿であったというほどだ。
入館して内部を見学したかったが、正午から午後1時は閉館時間ということで、先を急ぐ身にとっては何とも残念なタイミングだった。
気を取り直して「真岡駅」に向かう。凄い駅舎だ!今までこんな駅舎は見たこと無い。
木綿のハンカチーフ♪ を買いました。
綿の実から木綿を作る工程
金鈴荘の入り口
日本庭園から見た金鈴荘
11.真岡駅 もおか
2面3線のホームと、切欠きホーム(旧貨物ホーム)1線がある。平成9年(1997)にSLの形の新駅舎が完成し、関東の駅百選に選出された。選定理由は『地域の核として期待される巨大な蒸気機関車の複合施設の駅』である。駅舎は「真岡鐵道本社」「真岡駅前交番」「真岡駅子ども広場」などが併設された複合施設となっている。東口と西口を結ぶ自由通路があり、改札を通らずに直接ホームに行くこともできる。一日の乗降客数は1.500人以上(真岡鐵道公式サイト)と真岡鐵道の駅では最も多い。
構内に車両基地があり、切欠きホーム(元貨物ホーム)や構内の側線には、機関車・気動車などが複数留置されている。また、東側に併設されている「SLキューロク館」には、国鉄の前身である鉄道院が大正2年(1913)から製造した日本で初めての本格的な蒸気機関車である9600形蒸気機関車49671号が展示されている。圧縮空気で自走可能であり、体験乗車もできる。その他、D51形146号蒸気機関車や、国鉄キハ20系気動車、国鉄DE10形ディーゼル機関車なども居る。さらに駅構内西側の側線、SL格納庫、転車台などの脇にある歩道を開放して「真岡まるごとミュージアム」としている。
真岡駅全体が「SLミュージアム」になっているのでワクワクする。しかもちょうどこの日は「SLフェスタ2025」が開催されていて構内は大賑わいだった。各鉄道会社のブーステントが出店されていて鉄道グッズなどの販売も行われていた。
正面入り口のある東側から見た駅舎
ホーム南端から見た駅舎。凄い迫力です。
待合室側から見た改札口
ホーム側から見た改札口
車両基地があります。
駅名標はシンプルです。
駅舎の巨大さがわかります。
西側から見た駅舎。正にSLです。
キハ20 247 💓
DE10 1014
D51 146
49671
真岡駅は見所満載でついつい長居をしてしまったが、まだ先が長いので次の駅に向かう。旧国道294号線を5km程南下すると「寺内駅」だ。
12.寺内駅 てらうち
しっかりした木造駅舎があり、駅前には駅前広場がある。昭和レトロな雰囲気を色濃く感じる素敵な駅舎だ。人気テレビドラマ「相棒」のロケに使われたこともあるそうだ。 しかし何と言ってもこの駅の特徴は、駅舎内にお洒落な喫茶店があることだ。待合室の片隅に入り口がある。そしてもう一つの特徴はプラットホームが砂利敷きということだ。いままで色々な駅を訪れたが一面砂利敷きという駅は無かったと思う。
素晴らしい雰囲気の駅舎です。
駅名標。砂利敷きのホーム。
待合室側から見た改札
ホーム側から見た改札
広くて清潔な待合室
待合室にある珈琲店の入り口
茂木方面 ジャリ
下館方面 ジャリ
再び旧国道294号線を4km程南下すると洒落た駅舎の「久下田駅」がある。
13.久下田駅 くげた
相対式ホーム2面2線。跨線橋はなくホーム間の移動は構内踏切を利用する。モダンなデザインの2階建ての駅舎は旧二宮町の多目的ホールを兼ねていたというだけあってお洒落な駅舎だ。屋根のデザインが良い。こういった駅舎が現れるから駅鉄はやめられない。駅舎脇の下り線ホームに降りる階段も洋館から庭園に向かうような感じだ。
駅前ロータリーにはタクシー乗り場も設けられている。駅のすぐ東が茨城県と栃木県の県境になっている
洒落たデザインの堂々とした駅舎です。
待合室側から見た改札口
駅舎から見たホーム。洋館のテラスのようです。
ホームから見た洋館。
構内踏切
駅名標
下館方面
茂木方面
ホーム側から見た改札口。シンプルで美しい。
旧国道294号線に戻ってすぐに南下せずに、横切ってから1ブロック行って左折すると「白蛇弁財天(はくじゃべんざいてん)」があるのでお参りする。
ここは獅子狛犬の代わりにとぐろを巻いた蛇が鎮座している。境内には大勢の参拝者がいて、おみくじ、御朱印を授かっていた。
白蛇弁財天 かっこいい
今年はへび年。年始めに蛇を祀っている社寺にお参りした。埼玉県川口市安行の「興禅院」の弁天様にもかわいい蛇が狛犬の代わりに鎮座して居る。東京都三鷹市の「井の頭弁天大盛寺」の蛇の神様、宇賀神(うがじん)の石像は蛇のとぐろの上に頭部だけが乗っているおどろおどろしい姿だった。
ちなみに浦和の調神社(つきじんじゃ)のお狐様はウサギ、秩父の三峯神社、御嶽神社はオオカミ、埼玉県三芳町の多門院、港区天現寺、神楽坂善國寺の狛犬はトラです。千葉、袖ケ浦の飽富神社の狛犬の子供たちは元気に境内を駆け回っています。
旧国道294号線を2km程行くと「樋口駅」がある。
14.ひぐち駅
駅舎も待合室もないシンプルな駅だ。出入り口は2カ所あり国道に面してロータリー、公衆便所、自転車置場がある。駅名は秩父鉄道の樋口駅との混同を避けるため平仮名表記の「ひぐち」が正式名となっている。
秩父鉄道の樋口駅はとても狭い所にあって、自転車を駐めるスペースもなかったが、ここの駅前は広い。
郵便ポスト、電話ボックス、駅入り口の階段。
広いロータリーがあります。
駅名標
茂木方面
下館方面
線路の西側を通る広い幹線道路294号常総バイパスを2km程行けば「折本駅」が道から見えるが、旧国道294号線で行くと道路から駅が見えないので危うく通り過ぎるところだった。
15.折本駅 おりもと
相対式ホーム2面2線、列車の交換も行われる。両ホームは構内踏切で結ばれている。
駅舎、トイレ
ホームから見た駅舎。良い感じです。
茂木方面。長いホーム
下館方面。線路と常総バイパスに架かる歩道橋
駅名標
殺風景な待合室
旧国道294号線を2km程行って右折すると「下館二高前駅」がある。
16.下館二高前駅 しもだてにこうまえ
昭和63年(1988)住宅地に新設された駅で、駅前広場、駐車場、トイレなどはなく、両端がスロープになった狭いホームがあるだけだ。駅名になっている下館第二高等学校は東に200m程の所にある。
駅全景
駅名標
下館方面
茂木方面
ホーム北寄りの踏切を渡って旧国道294号線に戻って南に300m程行くと「定林寺」がある。初代下館城主の水谷勝氏(みずのやかつうじ)が水谷家の菩提寺として文明十三年(1481)に建立した寺院で、水谷家が寛永16年(1639)に備中に転封されるまで城主の庇護を受けた寺院だ。墓所には初代から八代勝隆(かつたか)までの法名が刻まれた角碑がある。
下館城主の菩提寺「定林寺」
さらに大町通りを250m程進むと左手に「下館城跡」がある。文明10年(1478)、水谷勝氏が結城氏広(ゆうきうじひろ)から下館領を与えられ築城したのが始まりで、何度か城主は換わったが、城は明治維新まで残った。現在、本丸跡に「城山八幡神社」が建てられていて、下館小学校と八幡神社境内の間に堀割の一部が道路となって残っている。歴代下館藩主は羽黒神社を崇拝していたが、享保17年(1732)に城主となった石川総茂(いしかわふさしげ)が城内に八幡社を建立した。
下館城本丸跡に建つ八幡神社
さらに600m程南下すると「羽黒神社」がある。文明13年(1481)、下館城城主水谷勝氏が領内の安泰を祈願して建立したのが始まりで、領内の村々にも羽黒神社を建立して「下館七羽黒」と呼ばれるようになった。また、八代水谷勝隆は転封先となった備中松山にも羽黒神社を建立している。毎年夏に執り行われる「下館祇園祭」は、下館羽黒神社の例祭で、4日間にわたり盛大に執り行われるお祭だ。
水谷氏が信仰した羽黒神社
道なりに700m程行くと「下館駅」北口に出る。駅は市街地の南端に位置し、北口、南口ともバスターミナル、ロータリーがあり、タクシーが常駐する大きな駅だ。
17.下館駅 しもだて
下館は、平安時代の天慶3年(940)に藤原秀郷(俵藤太)が「平将門の乱」平定のため、上館・中館・下館の三館を築いたことが、その始まりといわれている。江戸時代には下館藩の城下町となり、明治から大正にかけ、城下町南端部に水戸鉄道、真岡軽便線、常総鉄道が相次いで駅を開業し、下館駅は鉄道交通の要衝となった。
現在もJR水戸線、真岡鐵道真岡線、関東鉄道常総線の3社共同使用駅だ。真岡線は当駅が起点、常総線は当駅が終点である。島式ホーム2面4線、単式ホーム1面1線、切欠きホーム1線の合計3面6線のホームをもつ。北側から順に番線番号が振られている。切欠きホームの1番線を真岡鐵道、単式ホームの2番線と島式ホームの3・4番線をJR東日本、島式ホームの5・6番線を関東鉄道が使用する。南北から2社がJR線を挟む形となっているので周辺に鉄道の立体交差は無い。(写真は出発前の朝7時頃撮影したものです。)
下館駅北口。彫塑がいい感じで迎えています。
改札を入って右に行くと案内板がありました。
真岡線ホームがありました。
真岡線の改札口
ホームから見た改札。
JRのホームとの段差
茂木方面
駅名標
モオカ14-3
美しい車内
運転席、運賃箱
座席下のヒーターにはBUS HEATERと書いてありました。
真岡鐵道はすべての駅が個性的で魅力のある駅だった。駅鉄の私にとって最上級の旅ができた。自転車で50km近く走ったが、疲労感より満足感でいっぱいの一日となった。とにかく素晴らしい路線だ。多くの方に「是非とも真岡鐵道に来て下さい。」と言いたい。そして小春日和に恵まれたことにも感謝、感謝。
私は、都市部のただ人を運ぶだけの鉄道より、「地方の個性的な鉄道」が大好きだから、暑くても、寒くても、地域でがんばっている鉄道をこれからも紹介し続けます。
2025.11.16
